- 園長のブログ
びしょびしょ、ぬるぬる、ピカピカ!子どもが「きれい・汚い」を感じるまでの心のステップ

保育園での泥んこ遊び。手も服も泥だらけになって輝くような笑顔を見せる子どもたちに、「うわぁ、すごいことになってるね!」と驚くことはありませんか?
大人はつい「泥=汚いもの」「きれいにしなきゃ」と思ってしまいがちですが、子どもたちにとっての「きれい・汚い」という感覚は、成長とともにゆっくりと育っていくものです。
今回は、子どもがどのようにして「きれい・汚い」を感じ取り、理解していくのか、その成長プロセスをご紹介します。
Step 1:感触を味わう期(0〜1歳頃)
〜「汚い」ではなく「心地いいか・不快か」〜
この時期の子どもには、まだ「清潔」や「汚れ」という概念はありません。あるのは「心地いい(快)」か「気持ち悪い(不快)」かという肌の感覚です。
離乳食を手づかみでぐちゃぐちゃにする
泥や砂を触ってベタベタ・ザラザラさせる
一見「汚している」ように見える行動も、子どもにとっては「この素材はどんな触り心地かな?」と世界を確かめる大切な探究活動です。手や服が汚れることよりも、触感そのものを楽しんでいます。


Step 2:「すっきり!」を体験する期(1〜2歳頃)
〜「きれいになると気持ちいい」を知る〜
少しずつ言葉や状況がわかり始めるこの時期、「きれい」という感覚の土台ができる大切なステップに入ります。
手を洗って「さっぱりしたね」と声をかけられる
泥を拭き取ってもらって「ぬるぬるがなくなって気持ちいいね」と感じる
「汚れた状態」から「きれいな状態」になったときの心地よさ(快適さ)を大人の共感と一緒に体験することで、「きれい=気持ちいいんだ!」というポジティブな感覚が育っていきます。

Step 3:見て区別できるようになる期(2〜3歳頃)
〜「きれい」「きたない」の言葉と状態が結びつく〜
視覚的な変化や言葉の理解が進み、日常の言葉として「きれい」「汚い」を使い始める時期です。
「手が泥で黒くなっているから『きたない』ね」
「おもちゃを箱に片付けたら『きれい』になったね」
目で見える違い(色の違い、散らかり具合など)を理解し、自分の言葉で判断できるようになっていきます。また、「手を洗わないとお腹が痛くなるよ」といった簡単な理由も、少しずつ理解できるようになります。

Step 4:マナーや衛生として理解する期(4歳頃〜)
〜自分から「きれいにしよう」と考え始める〜
4歳以降になると、単なる触感や視覚的な問題だけでなく、社会的なルールや衛生観念として「きれい・汚い」をとらえられるようになります。
友達や家族と一緒に使う場所を「きれいに保とう」とする
「ご飯の前は手を洗う」という習慣が自分の意思でできるようになる
「きれいにする理由」を理解し、見通しを持って行動できるようになる、大きな成長が見られる時期です。
最後に:保育園では・・・
泥遊び、絵の具遊び、粘土、感触遊び(寒天ゼリー、片栗粉、氷)などで「汚れる体験」を行っています。
「汚れる体験」を充分に楽しんだからこそ、その後の「手を洗ってきれいになる心地よさ」をより深く感じることができるからです。
洗濯物を増やしてしまって恐縮ですが、幼児期に大切な経験をしてきたと捉えていただけましたら幸いです。
おうちでも服や手を汚した時は、一言、「思い切り遊んだね!洗ってサッパリしようか」と声をかけてみてください。その一言の共感が、子どもの豊かな感覚と衛生習慣を育む一番の近道になります。
